大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

龍生はなんとか子どもたちを引き剥がすと、ふいにぐるりとまわりを見渡した。



「おい、あいつはどこにいるんだ?」



あいつ? 誰のことだろう?


不思議に思っていると、子どもたちが「あっちー!」と龍生の腕をつかんで走り出した。


龍生がよろめきながら、


「いきなり走んな、あぶねえだろうが!」


と怒鳴ったけど、あっさりと無視されている。



「りゅーせー、足おそい!」


「おっさんだ、おっさん!」


「あんだと!? てめーら、いいかげんに……っ」


「ほら、あそこ、あそこ!」



女の子の一人が龍生に笑顔を向け、公園の片隅にある砂場の奥の木立を指差した。



龍生がそっちを見て、


「おっ、いたいた」


と嬉しそうな声をあげた。



あたしは公園の入口のほうに移動して、龍生がかがみこんだ先にあるものを凝視する。


それは、ふたの開いたままの段ボールのようだった。


龍生はその中を覗きこんでいる。