大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

―――おにいちゃん?


龍生が?



あれ? 龍生に弟妹なんかいたっけ?

いなかったよね。


あたしが引っ越してからまだたったの5年なわけだし、あの子たちはどう見ても小学校4年か5年って感じだから、ありえない。



あたしが戸惑っている間にも龍生はすたすたと子どもたちに向かって歩いていく。



「おいっ、てめーらぁ!

遅えとか抜かしてんじゃねえぞ、ばかやろう!」



閑静な住宅街のど真ん中、のどかな公園に響き渡った、ドスのききまくった怒号。


しかも、あどけない子どもたちに対して。



あたしは、子どもたちが恐怖の悲鳴をあげるのを予想して青ざめた。


ところが。



「バカって言うほうがバカなんだぞ!」


「そんなことも知らねえのかよ、にーちゃん!」


「あははっ、バカ龍生!」



子どもたちは楽しげな笑い声をあげて、龍生にまとわりついきはじめたのだ。



「あぁん!? なんだとぉ!?

この俺様に向かってバカたあ、お前ら、いい度胸してんじゃねえか!」



龍生が子どもたちの首根っこをつかみ、怒鳴りつける。



「きゃー、おにいちゃん、顔こわーい!」


「こわいこわーい!」


「へんな顔ーっ!」