怖いオトコとチョコレート


 ……こ・れ?

 ……わかるかっ


 確かにその後ずっと私の横にいた。

 私の隣で、私があげるチョコを食べてた。



 ……あれ付き合ってたの?

 あれ、付き合ってたの?

 あれ……付き合ってたのー?!



 もうため息しか出ない。

 私はその場にへたり込んだ。


「橋本?……大丈夫?」

「大丈夫じゃない……」

 黒岩くんはなんとなく私の方に手を伸ばし、引っ込める。

「チョコ」

 こんな時に?

 顔も見ず、チョコを箱ごと渡した。