水の奥深く。
不思議と息は苦しくなくて。

背中に違和感を覚える。
下を見るとどうやら底に着いたらしい。
でも何だか心地よくて体を起こしたいと思わない。

しばらく目を閉じておこう。
そう思い目を閉じる。


深海の音がする。
深海の音ってなんだよ。って思うかもしれない。

けどほら、耳を澄ましてみてよ。
聞こえるじゃん。


「……!………っ!!」
ほら、聞こえるでしょ?

「…ほ!…」
ん?
何か聞こえる?

「志帆っ!!」

「…………んっ…」

「早く起きなさい!!もう8時よ!?」

8時………。
8時か。












「……8時!?!?」

やっべ!
遅刻!!!!


「なんで起こしてくれないの!?」

「声が枯れるくらい起こしたわよ。」

ほんっとやばい!!



私はドタバタと階段を駆けて行った。