恋が都合よく落ちてるわけない



「ひどいな。
でも、引っ張ることないだろ?

深雪に会わせたこと怒ってるのか?
それなら謝らない」


私は、違うと首を振る。
何でこんなに腹が立つのか、

何でこんなに苦しいのか
私は、須田さんの胸を拳で叩いた。


「何するんだ、痛いじゃないか」


あまりにも無頓着で、
気にしてないって言うのに、

深雪さんに対する愛情は、
少しも欠けてない。


初めて会った時、
遠い目をするこの人を見て、
この人だけはやめようと思った。



視線を外して、
小さくため息をつくのが、
癖のように体に染み付いていたから。



だから… この人のこと、
見ないようにしてた。
自分を見ているようで、
見ると、苦しくなるから。


でも、見ずにはいられない。
私も同じだから。


忘れたくなくて、
ずっとその場に留まって、
出来るなら、
このまま一生変わらないでいたい。



そう思うと、苦しくて息ができない。