須田さんの行方は、
三日経っても分からなかった。

実加は悔しそう。
そろそろ止めないと、大捜索隊が組まれるか懸賞金がかけられるかも知れない。
実加が日に日に、熱くなっている。


人事課で社員のことは、
知らないことないと自負する実加には、
うやむやに出来ない事だ。

「だってね、
千鶴のいう通りなら、大問題だよ。
社員を装って
オフィスをうろつくなんて…」
彼女には、無駄に上を動かす力もある。

「いや、そんなおおげさな」
ホント止めて下さい。

会いたいなんて、
事態に陥るなんて思わないから、
須田さんの連絡先も聞かなかった。


聞かなかったというより、逃げて来た。



わかっているのは、

須田仁志
よく飲む。
深雪さんっていう好きな人がいる。




見事になんにも知らない。
それだけ。




年齢、住んでる所、同じ会社なのに、
何処の部署かわからない。最後まて、口を割らなかった。



「でも、何で、
会いたいなんて思うんだろう」