恋が都合よく落ちてるわけない

「急にお邪魔してすみません」
その日は土曜日で、いつもなら仁志さんとまだベッドで寝ている頃だ。

「お母様…あの、仁志さんは、今日はここにはいません。あの、出張で」
なので、一人で早く起きて部屋の片付けをしようと思っていたところでよかった。
とりあえず、中に入ってもらい、リビングに通した。

片付けもできていたら、もっとよかったのに。

「すみません、急に押しかけて…」

「いいえ。大丈夫です」
何やら、思い詰めた表情…
この頃には、微かに唇を結び、眉を寄せているのが、わかるようになっていた。

お母様、緊張してる…

「あの、何か飲むもの持ってきますね」