「どうぞ」
三日も帰らなかった部屋に、
人を入れるのも気が引けるのに、
一緒にいるのは、
恋人だったひとの奥さん。
という事実に、のけ反りそうになる。
はああーっとため息をつく。
聞こえるように。大きく。
陽子さんは、私のつまらない演技など、ものともせず、マイペースで我が道を行っている。
「あれ?パソコンは」
「ああ、仁志さんが持っていったままだ」
「持っていった?何で?」
「だって、調べたいって…」
「バカね。すぐ人を信用する」
何か頭にきた。
「どうせ、バカです。
彼氏取られましたし」
「ふふっ…可愛い。千鶴ちゃん。
あの人が惚れるのわかるなあ」
「じゃあ、どうしてそっとしておいてくれなかったんですか?さっさと身を引いて」
「引けなかったの。
あの人、誰か他の人を好きになったのが
わかったから、引けなかったの」
何? この空気…
玄関のベルがなった。
「千鶴?」仁志さんだ。
ああ、また微妙な空気の時に…
機嫌よく入って来るわけないよなあ、
と思いながら、玄関の方を見る。
とても、私には二人を仲裁する力はない。
どうしよう。何かあったら、身をていして止めるか。
が、そんな心配は、無用だった。
「須田君!ちょっと、千鶴ちゃんの
パソコンどこにやったのよ!」
という陽子さんの声がした。
彼女は、私を追い越して、
玄関から顔をのぞかせた
仁志さんに近づいて行った。
助かった。
彼女に出遅れた私は、
嫌な記憶で一杯になる。
西川さんのことが、重なって見える。
自分の家にいて、やって来たのは付き合ってる彼氏なのに。
私だけが、茅の外だなんて。
「パソコン?何の話だ」
不機嫌に私のことを見る彼、
負けずに私も見返す。
「彼女に聞いたの。
西川がここで作業してたって…」
ちょっと、陽子さん、
何余計なこと言うのよ。
「そうなのか?」仁志さんが私を探して顔をこっちに向ける。
「えっ?」
私、そんなこと、陽子さん、
あなたに言ってませんてば。
三日も帰らなかった部屋に、
人を入れるのも気が引けるのに、
一緒にいるのは、
恋人だったひとの奥さん。
という事実に、のけ反りそうになる。
はああーっとため息をつく。
聞こえるように。大きく。
陽子さんは、私のつまらない演技など、ものともせず、マイペースで我が道を行っている。
「あれ?パソコンは」
「ああ、仁志さんが持っていったままだ」
「持っていった?何で?」
「だって、調べたいって…」
「バカね。すぐ人を信用する」
何か頭にきた。
「どうせ、バカです。
彼氏取られましたし」
「ふふっ…可愛い。千鶴ちゃん。
あの人が惚れるのわかるなあ」
「じゃあ、どうしてそっとしておいてくれなかったんですか?さっさと身を引いて」
「引けなかったの。
あの人、誰か他の人を好きになったのが
わかったから、引けなかったの」
何? この空気…
玄関のベルがなった。
「千鶴?」仁志さんだ。
ああ、また微妙な空気の時に…
機嫌よく入って来るわけないよなあ、
と思いながら、玄関の方を見る。
とても、私には二人を仲裁する力はない。
どうしよう。何かあったら、身をていして止めるか。
が、そんな心配は、無用だった。
「須田君!ちょっと、千鶴ちゃんの
パソコンどこにやったのよ!」
という陽子さんの声がした。
彼女は、私を追い越して、
玄関から顔をのぞかせた
仁志さんに近づいて行った。
助かった。
彼女に出遅れた私は、
嫌な記憶で一杯になる。
西川さんのことが、重なって見える。
自分の家にいて、やって来たのは付き合ってる彼氏なのに。
私だけが、茅の外だなんて。
「パソコン?何の話だ」
不機嫌に私のことを見る彼、
負けずに私も見返す。
「彼女に聞いたの。
西川がここで作業してたって…」
ちょっと、陽子さん、
何余計なこと言うのよ。
「そうなのか?」仁志さんが私を探して顔をこっちに向ける。
「えっ?」
私、そんなこと、陽子さん、
あなたに言ってませんてば。


