†††


 目覚めた時、身体に痛みが走った。

「痛っ…」

おぼろげに覚えている記憶は、静理に与えられた牙の恐怖。


(あれ?そういえば…私、あれからどうして…)


いつ意識を飛ばしたのかハッキリと思い出せない。

痛む身体をソファーから起こして記憶を辿ろうとしていると、部屋のドアが開いた。


「あ、お目覚めかな」

「し、静理さん!?」

「ん?何をそんなに驚いているんだい?」


(ここ、もしかして静理さんの部屋!?私、戻らないでずっとここにいたの――!?)


小鳥は慌てて立ち上がった。

「す、すみません!おおお邪魔しましたっ!」


そのまま出て行こうとする彼女の前に、静理が立ち塞がる。