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 白魔の部屋は黒と紫が基本色だった。

居間と同様、ロココ調の椅子や家具。

やはりベッドは黒い柩で、シーツは紫。

壁には窓らしき影もあったが紫色のカーテンで閉ざされていた。


物の整理が苦手なのか、テーブルや椅子の上には本やCDが積み上げられている。


(この本は……楽譜?)


開かれたままのページに目をやると、五線譜が書かれていた。


「やっと二人きりになれたね。突っ立ってないで、腰かけてよ」

後ろから囁かれ緊張が走る。

ちょっと迷ってから、小鳥は空いている椅子に座った。


「わ、私に…何か用ですか?」

正直、白魔の傍にはいたくない。

早く部屋に戻りたい。

が、そんなことを正面から堂々と言う勇気など小鳥にはなかった。