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夢に白魔の母親が現れてから、一週間。
小鳥とルカは屋敷内にて何事もなく穏やかに過ごしていた。
あれ以来、夢にも現(うつつ)にも上条小百合は出て来ていない。
幽霊騒ぎも落ち着き、一安心。
そんな頃、事件は起きた。
『キケンだよ!キケンだよ!』
日が高い時刻、寝室で眠っていた小鳥は突然の機械音に睡眠を妨害された。
『キケンだよ!キケンだよ!』
「ん…?」
『キケンだよ!キケンだよ!』
「あ、れ…?なんで、しゃべって…」
クマのぬいぐるみが慌ただしく手足をパタパタさせている。
枕元にあったそれをボンヤリと眺めて首を傾げる小鳥。
「どうしちゃったのかな…?とまらないし…」
ぬいぐるみは相変わらず『キケンだよ!』を繰り返している。
とうとう壊れたか。
とりあえず、ルカにどうにかしてもらおうとベッドから起き上がる。
「ルカくん、あの…」