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静理は人間が大嫌いだ。
その「人間」に、この日彼はペコペコと頭を下げられることとなった。
「お願いします、静理さん…!」
「そんな頭を下げなくても…。俺でいいなら喜んで付き合うよ」
ニッコリスマイルを浮かべ、いつも通り本心を隠す。
本当は面倒で仕方ない。
小鳥との買い物なんて興味もないし、長い時間彼女と二人きりなんて御免蒙(こうむ)りたい。
だが現在、静理以外の兄弟は皆揃って外出中。
よって小鳥の面倒を見られるのは自分しかいないのだ。
心に言い聞かせ、小鳥と一緒に居間を出る。
(なるべく早く帰って来よう)
行き先は人間居住区。
(俺にとっての地獄か…)
笑顔のまま小鳥と他愛ない会話をしつつ、静理は吐き気のする記憶を頭から追い払った。