「……小鳥、僕言ったよね?逃げる獲物は追いかけて、独り占めしたくなるって」

小鳥の唇をペロリと舐めてから白魔は挑発的に微笑んだ。

「絶対に逃がさないよ。僕のプリマドンナ…」

「……ぁ……ぁあ」

恐怖の涙が今、絶望に変わる。


「白魔にサンセー。小動物の居場所はここだろ?」

突然カロンが会話に乱入してきた。

「帰ってほしくはないけど……小鳥が…本気で嫌なら…」

その隣でぶつぶつ独り言を言っているルカ。

「メスブタが居ようが居まいがどっちだって良いけどさ、出て行くなら全身の血液は置いていってよね。お前の血、Bのくせに悪くないから」

「オーレリアン、それは暗に出て行くなら死ねって言ってないかい?」

末っ子の言葉に静理が突っ込んだ。


「………マドモアゼル、部屋へ戻ろう」

今にも倒れそうな小鳥の肩をフェオドールが支える。

小鳥は血まみれの制服を抱きしめたまま、フェオドールに連れられ無言で歩き出した。