――ズキンッ


「っ…!」


一瞬の頭痛。

そして視界がぼやけ始めた。

クラクラする頭を押さえながら小鳥が見たものは、赤い血と、白い背景。


(この感じ、前にも食堂で…)


脳内をフラッシュバックする映像。


一面真っ白な地面。

そこに倒れている男性。

男性の首からは赤い血が滴り、誰かがその血を啜っている。

それは金髪の少年。


(だ…れ…?)


彼が小鳥に気づいて振り向き――。





そこで映像が途切れた。

と思ったら次の瞬間、一輪の白薔薇を差し出す少年と向かい合っていた。

青い瞳に綺麗な金髪。

彼は泣きそうな表情で囁く。



――ゴメンネ…



悲痛な声で何度もゴメンと繰り返す少年の前で、小鳥の身体は崩れ、ゆっくりと意識を手放した。