『花菜先輩さ~…
 俺、もう少し花菜先輩とこうしてたいなぁ~

 講義サボってさ、花菜先輩に抱きついててもいい?』



こんな台詞を素面で言えてしまう彼が本当にすごいと思う。


私は照れくさいし、恥ずかしいし。

それを乗り越えて言えたとしても、“いやだ”と言われたらショックだし。





『花菜先輩、黙ってるってことは』

『だ、ダメです!!
 学生は学校に来て勉学に慎むべきです!!
 あなたも勉学に』

『賢人、俺の名前は“あなた”じゃなくて“賢人”だよ、花菜先輩?』


耳元で聞こえる、彼の甘くて低い声。




『花菜先輩、いい加減に俺に落ちてもらえません?

 俺、花菜先輩が俺のにならなくて焦燥感に煽られてヤバいんですけど』