俺の名はリヒタア。




相棒マニーとコンビを組み、

幾度となく

冒険を重ねてきた戦士。

戦士には階級が10段階あり、

俺は四つ目の"タイガー"の位。

一方、相棒マニーは

一番下の"ワーム"の位。

共に冒険をしていれば

同じくらいの階級になるのが

普通だが、相棒マニーには

弱点があった。

それは"ドードン教"の

信者であること。

ドードン教は"殺さず"の信念で

知られる平和主義の教え。

それは人間だろうと

動物だろうとモンスターだろうと。

しかし階級を上げるためには、

倒したモンスターの"首"を

本部まで持って行き、

認証してもらわなければ

ならない。しかし

相棒マニーはドードン教の信者。

いつも俺がトドメをさし、

首を削いでいた。

それで階級に

差がついていったのだ。

元々平和主義であったが、

冒険好きであることと、

生まれもっての剣術の才能で

戦士になった男。

他の者は"殺さず"の戦士などと

組みたがらなかったが、

俺はそのセンスに惚れ込んで

組むことにした。

正義感にあふれる性格、

その優しさに

冒険を重ねているうちに、

こうなっていったのだ。





ところがある日、

本部から連絡があった。

新しく編成される

パーティのリーダーとして

参加してほしいと。

タイガーの階級は

本部編成のパーティに

参加できる資格がある。

だがリーダーとなると、

もっと上の階級のものが

なるのが一般的だ。

しかし俺の働きぶりを見た

本部のお偉いさんが

大抜擢してくれたのだ!



他のメンバーを見てみたが、

すごい面子ばかりだった。

"怪力扇風機"のジョニーや

"鬼ごろし"のライアーマン、

"女二刀流バスター"アッチレなど。

この辺りでは有名な者が


何人もいた。





しかし、ここで一つ

問題があった。

それは階級的には

他の者といっしょ、

もしくは上になるのだが、

それは相棒マニーのおかげ。

今まで持って行った首を

半分で計算すると、

もっと階級は下がだろう。

それに半分だけでなく

相棒マニーが倒した数のほうが

多かったかもしれない・・・

そう考えると

少し不安になった。





「明日までに返事をくれ」

家に帰り、相棒マニーに

この話をした。すると

「よかった!

がんばってくれ!」

とても喜んでくれた。

しかし、この話には

続きがあった。本当は・・・

「明日までに返事をくれ、

もちろん、相棒マニーも

いっしょだ!」





・・・いっしょに行くことは

うれしい。

だか階級が"タイガー"である

理由が分かってしまう。

・・・隠していたわけではない。

しかし、これが

分かってしまうと、

リーダーの話どころか

パーティ参加も

危うくなる恐れが・・・

だが本部編成のパーティは

過酷だと聞いている。

実力的にも不安が・・・

本当のことを話すべきか・・・

でもこんなチャンス、

そうめったにあるものでは・・・





リヒタアは

どちらを選ぶのだろう・・・

あなたはどちらを選ぶ!?