栞理たちと一緒にやってきたのは学校の近くにあるソフトクリーム屋だった。


屋台みたいなお店が並んでいる通りで、買い食いをする人も多い観光スポットになっている。


通りにはベンチやテーブルが並んでいて、そこで座って食べる事もできる。


あたしも何度か来たことがある場所だ。


「わぁおいしそう!」


栞理たちがソフトクリーム屋立ち止まる中、ケンジ君とあたしは隣のたこ焼き屋へと足を進めた。


おいしそうなソース香りがして、思わずお腹がなってしまった。


家を出たのが昼前だから、そろそろお昼だ。


それぞれにたこ焼きを注文してお財布を取り出そうとしたとき、ケンジ君がスッと千円札を2枚、トレイの上に出した。


「え……」


あたしがとまどっていると、「ここは奢ってあげるから」と、ケンジ君。


「でも、そんなの悪いよ!」


そう言うと、ケンジ君はチラリと栞理たちの方へと視線を投げた。


あたしもつられてそちらへ向くと、ソフトクリームの代金は男の子たちが払っているようだった。