翌日、あたしが通っている桃川高校へ行くとクラスのみんながどこか落ち着かない様子なのがわかった。


「おはよう菜月」


先に登校してきていた親友の高畑亜耶（ｶﾀﾊﾞﾀｹ　ｱﾅ）が、声をかけて来た。


あたしは自分の席に鞄を置いて亜耶を見る。


亜耶は身長１７０センチで手足がスラッと長い。


ハーフのため青色の目をしていて、茶色の長い髪の毛をポニーテールにしている。


女のあたしでも好きになってしまいそうなくらいの、美少女だ。


慎重１５５センチで完全に日本人顔のあたしは、亜耶を見上げた。


「おはよう亜耶。今日はなにかあるの？　みんな落ち着きがないみたいだけど」


「あたしもさっき聞いたばかりなんだけど、転校生が来るらしいよ？」


亜耶は人懐っこい笑顔を浮かべてそう言った。


「転校生？」


この時期に転校生なんて珍しい。


大して有名でもないこの高校に編入して来ると言う事に物珍しさも感じる。


「職員室で転校生を見た子が、すっごくカッコいい男の子だったって話をしてたよ」


「へぇ！　もう見た子がいるんだ！」


あたしは目を丸くした。