それに、だ。


あたしは川上君にキスをされているのだ。


次から次へと怒る疑問や出来ごとのせいで忘れそうになっていたけれど、それは決して忘れてはいけない事だ。


あのキスにどんな真意が隠されていたのか、あたしはまだ知らない。


「いいよ」


あたしはすぐに頷いていた。


川上君がどんな感覚を持った人なのか、もう少しよく知りたいと思う。


「あたしも、かまわないよ」


亜耶が頷く。


「じゃぁ、明日はどう?」


そう言われ、あたしは慌てて「明日はダメ」と、言っていた。


明日は栞理と一緒に消えていった男たちについて調べる予定だ。


「そうなんだ? じゃぁ、次の休みだね」


「う、うん」


あたしはドキドキしながらも頷いた。


変に思われていなければいいけれど。


その日は1日亜耶の行動に目を光らせながら過ごしていたのだった。