「う、うん。ちょっと授業に追いつけなくなってて、それで家でも勉強する時間を増やしているの」


最も学生らしい言いわけだったと思う。


勉強があるからと言えば、友達でもそれ以上は突っ込められないだろう。


案の定亜耶は「そっかぁ」と、寂しそうに呟いただけだった。


それ以上何も言ってこない亜耶に心の中で息をはきだした。


あたしは栞理のように女優になれそうにない。


「ところで2人とも、今度3人で遊びに行かない?」


そう言ってきたのは川上君だった。


川上君に誘われるのは、あたしはこれで2度目だ。


川上君は好きな子がいながらも、こんなふうに時々女の子を誘って遊びに行っているらしかった。


特定の彼女がいるわけじゃないからそれが悪いわけじゃないけれど、やっぱりあたしからすれば少し感覚がずれているように見えた。