「はい」


年のいった女性の声。


きっと丸尾先輩のお母さんだ。


「お久しぶりです。岡田栞理です」


栞理がそう言うと、相手の女性は「栞理ちゃん? 来てくれたのね」と、嬉しそうな声が聞こえて来た。


丸尾先輩のお母さんは簡単にドアのカギを開けてくれたので、あたしたちはエレベーターで部屋へと向かったのだった。