ファミレスを出たあたしと栞理は、手始めに丸尾先輩の家を訪ねてみる事にした。


イケメン好きな栞理はしっかりと先輩の情報を持っていたので、さすがだと感心してしまう。


先輩の家は学校から徒歩20分くらいの場所にある大きな、マンションだった。


塗り直されたばかりなのか、真っ白ですごく綺麗な外観をしている。


入るのに少し抵抗があったが、あたしは栞理に続いて中へと足を踏み入れた。


エントランスには部屋番号を入力するボタンがあり、栞理は躊躇することなくそれに番号を打ち込んだ。


「ここ、来たことがあるの?」


「先輩を狙ってた時に1回だけね。猫を飼ってるって聞いたから、それをネタに遊びに来たの」


あたしは呆れて栞理を見た。


栞理の行動力には脱帽してしまうところもある。


そのままパネル上でインターフォンを押すと、隣のスピーカーからすぐに返事があった。