栞理の様子が気になりながらも、授業はいつも通りに進んで行った。


教室内での栞理はいつも通りで、特に目立った様子はない。


そして休憩時間。


いつものように川上君があたしたち席にやってきた。


あたしはどうしてだか川上君の顔を直視できず、視線をそらせてしまう。


「昨日はお葬式だったんだって?」


そう聞かれてあたしは思わず川上君を見てしまった。


目が合い、ドクンッと心臓が跳ねる。


「そ、そうなんだよね」


あたしは頷く。


「今朝、それで岡田さんに泣かれちゃったんだ」


困った表情でそう言う川上君。


あたしは今朝見た出来事を思い出す。


川上君は優しく栞理の


頭を撫でていた。


「女の子に泣かれると、どうすればいいかわからなくなるよな」


川上君はそう言って頭をかいた。