それは突然の事だった。


放課後になり、亜耶と2人で帰ろうとした時ウラシマに呼び止められてしまった。


めんどうな雑用を頼まれるのではないかと思ったけれど、ウラシマの隣に川上君が立っていたため、あたしは立ち止まるしかなかった。


「岡田と高畑。2人で少し校内案内をしてやってくれないか?」


ウラシマに言われた言葉にあたしの心臓はドクンッと跳ねた。


「校内案内って……」


「明日は朝から移動教室だから、その教室の場所だな。


あとは、保健室や更衣室。最低限覚えていない場所を今日の内に案内してやってほしいんだ」


そう言うウラシマにあたしは何度もうなづいていた。


川上君を校内案内できるなんて、仲良くなれるチャンスだ!


「わかりました、まかせてください!」


「お、やる気があるな。それなら任せるぞ」


そう言い、職員室へと戻って行くウラシマ。


このされた川上君はあたしを見てほほ笑んだ。


その笑顔だけでもうメマイを起こしてしまいそうだ。