そんなの初めからわかっていたことだ。


栞理だけじゃなく、クラスメートの半分以上は川上君を本気で狙っているだろう。


好きな人に見てもらうためには、自分の不幸を晒して泣きつくくらい必要なことかもしれない。


でも……。


あたしの心の中には、デートを邪魔されたという気持ちがあった。


せっかく川上君と予定を取り付けていたのに、それが台無しになっているのだ。


それなのに栞理はケンジ君の死を利用してまで川上君に近づこうとしている。


そんな気がして、ならなかった……。