栞理との帰り道はほとんど会話がなかった。
ケンジ君の遺影を目の当たりにして、ケンジ君は本当にいなくなってしまったのだと理解したからだろう。
あたしは何度か話題を振ってみたけれど、栞理からの返事はなかった。
「気を付けて帰ってね?」
分かれ道に差し掛かってそう言うと、栞理は「うん」と、小さく頷き、そのままあたしに背中を向けた。
あたしより背の高い栞理が、今はまるで小さな子供のように見える。
あたしはその後ろ姿が見えなくなるまで見送り、そして自分の家へ向けて歩き出した。
分かれ道から家まではほんの少しの距離。
その間に、ヘビが歩道を横切っているのが見えた。
あたしは立ち止まり、その光景を見つめる。
灰色のクローバー柄のヘビだ。
ヘビは車道から歩道へ入ってきて、そして草むらに移動していく。
「血……?」
あたしはヘビが通ったあとに線が引かれていくことに気が付いた。
その線はよくみると赤い色をしている。
ケンジ君の遺影を目の当たりにして、ケンジ君は本当にいなくなってしまったのだと理解したからだろう。
あたしは何度か話題を振ってみたけれど、栞理からの返事はなかった。
「気を付けて帰ってね?」
分かれ道に差し掛かってそう言うと、栞理は「うん」と、小さく頷き、そのままあたしに背中を向けた。
あたしより背の高い栞理が、今はまるで小さな子供のように見える。
あたしはその後ろ姿が見えなくなるまで見送り、そして自分の家へ向けて歩き出した。
分かれ道から家まではほんの少しの距離。
その間に、ヘビが歩道を横切っているのが見えた。
あたしは立ち止まり、その光景を見つめる。
灰色のクローバー柄のヘビだ。
ヘビは車道から歩道へ入ってきて、そして草むらに移動していく。
「血……?」
あたしはヘビが通ったあとに線が引かれていくことに気が付いた。
その線はよくみると赤い色をしている。