「あたし、昨日川上君にキッパリ振られたんだよね」


あたしがそう言うと「え?」と、栞理は聞き返してきた。


そして、あたしは昨日栞理を送った後の出来事を話してきかせた。


川上君があたしの家に来たと言った時栞理は険しい表情をしたけれど、何もなかったと言うと穏やかな表情に戻った。


念のため、あたしは川上君は亜耶が好きだと言う事は伏せておいた。


「だからね、川上君も亜耶も下心があって相手に接するような性格じゃないと思うんだよね」


「川上君はそうかもしれないけど、亜耶はどうかわからないよ」


栞理は真剣な表情でそう言った。


やっぱり、まだまだ亜耶へ敵対心を抱いているみたいだ。


あたしは栞理を刺激しないように、肯定も否定もしなかったのだった。