「あの……」


途中で栞理が口を挟んだ。


いつの間にかその顔は真っ青になっている。


「栞理、大丈夫!?」


「うん……ごめん、馴れないことだからなんだか気分が悪くなっちゃって」


そう言うと、警察官2人は慌てたように立ち上がった。


「もう話は十分に聞けました。無理をさせてしまって申し訳ありません」


そして、そそくさと家を後にする。


警察官2人が家から出た後、栞理はホッとしたように深呼吸を繰り返した。


「大丈夫? ベッド、貸そうか?」


まだまだ顔色の悪い栞理は、このままじゃ帰れなさそうだ。


「ごめんね。少し横になると治ると思うから」


そう言い、ヨロヨロと立ち上がる。


極度の緊張状態で貧血になったのだろう。


あたしは栞理を支えながら自室へと向かったのだった。