どうやら、ぶつかってしまった女の人は、自分達に大人しく抱かれろと迫られているようで、それを庇った男の人は、殺されそうになっているようだ。
私は、双方の間に体を滑り込ませた。
「ねぇっ、お兄さん。
私がその人の代わりに抱かれたら、その人のこと許してくれる?」
「ああ、まあ、いいぞ…」
そして私は、だらしなく鼻の下を伸ばしたおっさんの腕を引っ張った。
そして大声で言う。
「あれっ、動くじゃん。骨折れてないじゃん。騙したの?」
目を潤ませ、睨んだ。
そして、見惚れている隙に、股間を蹴り上げた。
倒れる男はほっぽって、スーツケース引きずってダッシュして逃げる。
スーツケースも、一緒にタイムスリップしてたみたいで、安心した。
小説だと、この辺で新選組が出てくるんだよね〜、と思い返した。

