冗談、だと。 嘘、だと。 冗談、嘘になる前に、現実であるうちに私は急いで彼のアドレスを入れた。 『……ねぇ、本当にいいの…?』 私は彼の背中に問いかけるも、彼は振り向くこともなく、 『俺には“あや”だけだから。 あや、しか女として認めないから』 そう、静かに、ハッキリと言った。 それは、 きっと、キスもそれ以上もない、ってこと。