黒と白なんて断然黒に決まってるでしょ?

さて、まずは遥か先にある校舎を目指さなきゃいけない。

どうして無駄に広くしたの、邪魔なだけでしょう。

あーー。そっか、ここは魔法学園だから、誰一人として困らないのね。

それなら、私も転移魔法で移動しよーっと。

学園長室に行くんだったかしら。

まぁ、とりあえずいってみましょ。

ぼそぼそと、口を小さく開けながら呟きはじめた。

自分でも聞こえるか聞こえないかの声に、印は反応する。

胸元の薔薇が赤黒く光だし、服の上に薄くうつった。

足元を中心に広がりだしたそれは、胸元の薔薇と同じ形をして、赤黒く、けれど白く光だす。

綺麗と言い難い光は、一瞬で眩しいぐらいに輝いたかと思うと、クロを包み込んで消えてしまった。