散歩は取り止めだ。
結の宣言で部屋に戻る。
「悪かったな。もう少しちゃんと聞いとくべきだった」
「いえ……私も野花さんがあんなに馬鹿だとは思いもしなくて」
「うん。君は本当に強いね」
文月がついに身体をくの字に曲げて笑いだしてしまった。
「ええ、何で笑うんですか」
「いやー、言えない!あんな悪意むき出しにされてそれ言えるのは露李ちゃんだけだよ!」
「…ま、あれが本当にプライドの高い女だっていうのは分かった」
疾風の冷静な言葉に理津も頷き、静は野花を思い出しては怖がっている。
「何かなー、もう鬼とかいう超人と会いすぎてもう感覚がおかしいぞ俺は」
「はい。でもやっぱり里の人は私のこと大っ嫌いですね」
「まあ、羨ましいんだろうね」
「でも怖いですよあの方、何であんな睨んでるんですかずっと」
「静くんそれはもう諦めて。あの子はああいう顔なの…」
「何のフォローにもなってねぇからな、それ」
理津も苦笑する。
「でも露李偉かったなー、かっこよかったぞ。術の度合いは低かったが、あんだけ悪意ぶつけられて動じないのはさすがだ!」
「あ、ありがとうございます」
「温室育ちのお花ちゃんとは比にならないものを越えてきてるからね」
皆に元気づけられ、露李は大きく頷いた。
そして、気持ちを落ち着かせる。
「皆さんに話しておかないといけないことがあります」


