そのあとは桜木がお茶を運んで来る以外は誰も部屋に近づいてくる者はなかった。
「しばらくご飯も来なさそうだし、お散歩でも行く?」
することもなくだらだらしていたので、両脇にいた疾風と理津にそう切り出す。
「行きたいのか?」
「いや、皆つまんないかなーと思って」
背中を壁に預けていた疾風に返すと、同じくごろごろしていた理津が身を起こす。
「まあやることもねぇしな」
「行っても良いが、部屋出て大丈夫なのか?」
「んー……まあ怒られるとは思うけどね!」
「…その暢気さが、お前がこれまでその性格で生きて来られた所以だよな」
ははっと疾風が珍しく声を出して笑う。
どこがツボだったのかはよく分からないが、疾風が笑うと何だか嬉しくなる。
と、ふと理津がぴこんと何か思いついたような仕草をした。
嬉しそうに笑いかけてくる。
「姫は色々とざっくりだよな」
「え?そうなのかな。そうなんだー」
「そうそうそこそこ。よし、じゃあ露李は俺と付き合わねぇ?」
「あーうん。え?」
いつものように相槌を打ってから、んっと首を傾げた。
「よーし、言ったな?」
「…理津。悪ふざけが過ぎるぞ」
にこにこと抱き上げられ、そのまま胡座に乗せられる。
疾風が冷たい眼差しで理津を見つめる。


