「失礼致します。守護者様、露李さんとお話をさせて頂きたいのですが」
「お二人で、でしょうか」
結が訊ねる。
警戒した雰囲気を出さない守護者たちはさすがだが、皆良いとは言わない。
「左様でございます。家を出てからのことや、未琴のことについてお聞きしたいのです」
実の娘である未琴の死の真相を知りたいのは当然だ。
とはいえ。
「それは…出来かねます」
「…理由をお訊ねしてもよろしいでしょうか」
ここで、釘を刺すべきか否か。
結が言葉に詰まった瞬間、文月が口を開いた。
「姫様は神影神社の神域にあっても襲撃に遭われました。いつ襲われてもおかしくはないご身分です。守護者である私どもの力不足もありますが、だからこそ、離れるわけにはいかないのです」
薫は文月を見つめ、はっとしたように姿勢を正した。
「そう──そうでしょうね。申し訳ありませんでした。お疲れでしょうから──その、私はお食事の準備をして参ります。お話はその後、させて頂いても?勿論、皆様の御傍で」
「それは勿論、構いません。私共のことはお気になさらず。そういった訓練をされておりますので」
「ありがとうございます」
礼を言いながら、薫が露李をちらりと見た。
射抜かれるような眼光に怯むまいと、しっかり見返す。
目を逸らしたのは、薫の方からだった。


