「へえ、そんなことやってたのか俺の家」
「うん。ああ…あと、気象予報士がやたらと多いね」
「風読めるからか?そんな感じなのか」
「文月先輩は?」
「俺の家は、ほら。能力を使いやすいから、やっぱり植木とかそういうのが多いかな。花の色素の研究とか、あと植物由来の化粧品とかもあるかも」
「業種、一本じゃないんですね」
「結構大きいからね。支社も各地にあるはずだよ」
「すごいですね。疾風は?」
「俺の家は建築系と、あとそうだな。何かゲームとかかな」
何故かは分からないが意外だ。
そう思っていると、理津がハーイと手を挙げた。
「理津のとこは?」
「輸入食品と服飾」
「えー!そうなの!?だからいつも意外にお洒落なの!?」
「一言多いわ」
えへ、と可愛い子ぶり慌てて静に向き直る。
「静くんは?」
「出版と情報系です」
「うんうん、そんな感じするよー!」
胡散臭ぇ、と理津が言うのは放っておいて、初めて知った情報に感心する。
わりとちゃんとしてるんだなあ、というのは余計なお世話か。
「一族経営かあ。御曹司じゃない皆」
「そうだな。でも関係は複雑だぞ、何せその御曹司がいつも不在だからな」
疾風が溜め息混じりに言う。
「大変だね」
「お前もだろう。神影グループといえば──」
何だろうと思ったが、人の気配がしたので中断。
皆がすっと意識を外に集中させる。
「…お祖母様ね」
「来るって言ってたもんなー。怖い怖い」
「全く怖くなさそうですけど」
結の口調に笑い、その笑顔を引っ込めたところで襖が開いた。


