「……そうでしたか。露李さん、成長されましたね」
「ありがとう、ございます」
少し、狼狽えた。
露李は表情に出さないように気をつけながら、ちらりと薫を見た。
褒めることなど滅多に無かった祖母に、何の変化があったのだろうか。
座るように言われた場所に座ると、何だか雛祭りの雛人
形になった気分だった。
「年取ると、丸くなるのかな……?」
「…何でお前はいらんとこだけ口に出すっ」
聞こえないように言ったつもりが、結に聞こえていたらしい。
幸い薫は気がついていないようだ。
「静粛に」
既に静まり返ってはいるのだが、形式上言わねばならないのか薫が声を張る。
「これより露李様の帰還をお祝いする会を始めます」
どことなく間抜けな宣言だなあ、と思ったが、今度は口をつぐんだ。
「生来、神影は神聖なる使命を持つ風花姫を輩出してきました。その歴史は長く、尊いものです。これまで風花姫に在位していた者は短命でした。襲撃などで命を落とす者が殆ど。しかし、我らが露李姫はこうして帰還を成し遂げたのです」
うえー、怖い。
どこぞの悪徳商法みたい。
「大いなる祝福をいたしましょう。そして露李姫を守り抜き、忠誠を誓った守護者様に感謝を。一同」
一族全てが立ち上がり、手を翳した。
「風花姫様に」
色とりどりの光の球が露李に向かって飛んでくる。
一つに合わさり、何やら大きな鈴のようなものを造り上げた。
空に浮いている鈴を受け取ると、また彼らは手を翳す。
「守護者様に」
今度は小さな鈴で、五色の紐と共に彼らの手首に巻き付いた。
「これを私達からの祝福として、お受け取りください」
恭しく薫が礼をした。
次は自分達から返すとしたものだろう、と露李も立ち上がる。
守護者たちも露李に倣う。


