【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく

 

「では、入室を」


桜木がそう言い、皆が頷くのを確認すると静かに大きな襖を開けた。

露李にとっては見慣れた光景が広がる。


「露李様、お帰りなさいませ」


一族が一斉に畳に指をついて頭を下げた。

人数が多いのにも関わらず煩くならないのは、薫の教育の賜物だろう。

真ん中の開けた道をしずしずと─そう見えるように─歩く。

奥の高くなった場所に露李と守護者たちの者であろうスペースがある。

そこから近いところに、凛とした立ち姿の薫がいた。

とりあえずはと薫のところまで歩き、目が合ってから膝を折って挨拶をする。


「お祖母様、ただいま戻りました」


「お帰りなさい、露李さん」


良くも悪くも、公正で厳しい人だった──と記憶しているが、今となっては分からない。

露李はこれまで教え込まれてきた柔和な笑みを浮かべる。


「よく戻りましたね、お座りなさい。…守護者様」


薫が向き直り、五人が会釈をする。

露李にする、跪いて胸に手を当てるものはしない。

あくまで風花姫に対するものだからだ。


「今日まで守り抜かれましたことを、心より感謝致します」


「私共はお守りすることが使命です。露李姫様はとても気高く、聡明な姫君です」


露李は少しだけ嬉しそうに薫と話す結を見た。

薫は僅かながらも驚いたように眉を動かした。