状況を察した結と文月が桜木に話しかけに行く。
打ち合わせという体で時間を稼ぐつもりなのだろう。
「露李が以前、小さくなったときに言っていた男だ。……仕置きをするだとか」
「そう、その人。ただ、あの人に関してちょっと気になることがあって」
「何だ、お前今まで言わなかったじゃねぇか」
「だってすぐ会えると思ったんだもん。会ってみないと分からないし」
「どういうことですか?」
「あの人…私の勘違いじゃなかったら、ずっと見た目が変わってない」
三人が目を見開いた。
ぱしっと理津に頭をはたかれる。
「てめ、んな大切なことは先に言え!何か起こってからじゃ遅いんだぞ、分かってんのか!」
「ご、ごめん」
「そんな怪しい点があるなら早く言ってくれ。そして露李…本当にお前はホウレンソウを心得ておいてくれ」
疲れたような声で疾風が突っ込み、静は難しい顔をした。
「でも、どうして急にそんなことを?……どうかした、静くん?」
「今、ここに克雪さんは居ないみたいです」
え、と露李の表情が固まる。
──おかしい、克雪は気軽にこの里を離れられるような立場じゃない。
「変だわ。克雪はもっと重役ポジションだし……」
「珍しいな、静。初対面の人の心を読んだのか」
「はい。なんか少し不自然な心の動きなような気がして…」
そう言ったところで、桜木が立ち止まる。
「着きました。守護者様のお着替えは瀧谷たちがお手伝い致します。こちらへ」
まだ何かあるのか……と疾風がうんざりしたように下を向く。
「疾風、理津。皆は何を着るの?」
「あー、家紋入りの儀礼服みてぇなもんだな。お前と同じ和服だ」
それは見てみたいな、と思った。


