水無月は車の窓が閉められたのを確認し、戻ってきた運転手二人を捕まえた。
「貴様」
「……何でしょう。露李様の関係者の方でしょうか」
問われても聞かないのが水無月である。
顔を近づけ、低い声で囁く。
「俺の大切な露李に何かしたら、貴様を八つ裂きにしてやる。良いな」
「待て、お前はどこかで──」
「良いな、と言っている」
ひっ、と二人が息を飲んだ。
水無月からは尋常ではないものを感じるし、それに───。
「露李様に何かあればすぐに分かります。よろしいですね?」
見た目は全く無害そうだった少女の手には、鈍い輝きを放つ細長い刃物が握られていた。
「分かった、分かったっ!」
そう返事したことは、言うまでもない。


