しばらく立って、蔵を出た。
守護者と海松はそこにいて、出てくると優しく笑ってくれる。
「よーし。じゃ、行くかー!」
わしわしと結に頭を撫でられ、露李はほっとして息をついた。
きっと目元が赤くなっている。
しかし誰も気づく素振りは見せない。
彼等の気遣いが優しくて、嬉しかった。
「ひーめ」
先頭を歩きだした結と文月に続き、理津と疾風が露李の横に並んだ。
見送ってくれるつもりらしい海松は、その後ろで静と話している。
──静くんと海松ちゃんって、結構お似合いだなあ。
二人とも穏やかな雰囲気で、物腰も柔らかい。
そんなことを思い、理津を見上げる。
「海松ちゃんと静くんって仲良いよね」
「おお、あの二人はな。俺らがこんなんだから静も落ち着いたいときもあんじゃねぇの」
「…落ち着きがないって自覚はあったのね」
半ば呆れながらそう言うと、疾風が不服そうに声をあげた。
「それは理津とか結先輩だけだよな、俺は違うぞ」
「まあ、疾風は仏頂面キングだしそうね。喧嘩の仕方とかえげつないけどね」
真面目なゆえにむきになると恐ろしい。
「どうした、露李」
唐突に疾風が訊ね、質問の意味が分からずに戸惑う。
「どうしたって何?」
「お前、嫉妬でもしてるのか。静のことが好きなのか」
「はい?」
何を言ってるんだ、と固まる。
どこからどう飛んだらそこに至るのか。
理津の方を見ると、そちらもそちらで妙な顔をしている。
何なのかな、と露李は怪訝な顔で疾風に向き直った。


