「冴えてるわ!いつも!」
「分かってますよ、でも今日が全くぱっとしないだけで!」
「全く!?お前…」
「何でですかっ、褒めてるじゃないですかっ」
「どこがだーっ」
ぎゃいぎゃい言い合う二人を見ながら、疾風は少し安心した。
露李もだが、結はいつも元気な方が良い。
ふと、人の気配を感じて背後に意識を向ける。
見知った気だったので息をついた。
「行くぞっ、疾風ー!」
言い合いが終わったのか、結がそう呼んでくる。
一瞬、戸惑ったがすぐに返事をした。
「あの、俺岩場に忘れ物してきたので先に行って下さい」
えーっ、と露李が声をあげる。
その声に自然と笑みが浮かんだ。
「すぐに戻るから待ってろ」
そう言うと、分かったーと結と話ながら階段を下りていく。
後ろ姿を見てから、また振り返った。


