「森と繋がる者が脅かされそうとしています」
「森と、繋がるもの……?」
「貴女を守る者たちの中にいるでしょう」
守護者たちの中で、森と共通点があるような力を持つ人といえば、一人しかいない。
「……文月先輩?」
「大地家の方ですね?」
「はい。あの、どうして…」
芽生はすっと立ち上がり、露李に背を向けた。
「貴女を守る者たちは、遥か昔に私たちのような自然や世界の現象を司る者と契りを交わし、その力を得ました。ですから私達には分かるのです」
月が雲に遮られかけている。
芽生は物憂げに空を見上げた。
「邪を纏う、悪意に満ちたものが貴女がたを脅かそうとしている。どうかお気をつけて。今夜はそれを伝えるために貴女をお呼びしました」
「あのっ、それは誰が──」
「その者の名は分かりません。しかし、必ずやってきます」
ゆっくりと芽生が振り返り、また微笑んだ。
「どうか、お気をつけて──」
「待って芽生さん!私はどうしたら!」
「貴女なら大丈夫。私達も貴女がたをお守りするよう努めます」
風が強く吹いた。
寒さを感じる前に目をみはる。
また月の光が降ってきた瞬間、芽生の姿が薄くなり、木の葉となって風に散っていく。
彼女が露李の前に跪き、姿が消えた。


