「は、どうして、」 一瞬にして彼女の身体が凍りつく。 その手を剥がそうともせず、動けなくなったかのように固まった。 そこだけ時間が止まっているように。 「ごめ、ごめんなさいっ、また力を使ったから、ごめんなさ、連れて行かないで──!!」 過去の記憶が、聞こえないはずの声を聞く。 「おねがい、にいさまを助けて……」 最後にそう残し、幼い露李は意識を手放した。