「あ、あのね……その…さっき、颯大からメールがあったの…」


「……颯大?」


颯大の名前を聞いた瞬間、玲音のこめかみがピクリと動いた。



「この前の大会で颯大、優勝したんだって。

それで、颯大のお祝い会を道場のメンバーでやることになってね」



うっ……



悪いことするわけでもないのに、

声が震える。



「……ふたりきりなの?」


ひえっ……


玲音の視線が恐ろしいほどに尖ってるっ!


怖すぎるってば!!!



「ま、まさかっ!師範や館長も来るよ」


「りりちゃんは行きたいの?」


えーん……


ハンバーグをフォークでグサグサ刺しながら、そんなに怖い顔して訊ねてこないで。



「顔だけでも出したいなぁとは思ってるけど、

玲音が行くなっていうなら行かないよ?」


「じゃ、行かないで」



「わかった……」



コクンと頷いて視線を落とした。



……仕方ないか。



そう思いつつも、やっぱりちょっと残念…


心の中でため息をついて、サラダに手を伸ばした。



すると、ニコっと笑った玲音におでこをペシっと叩かれた。