続・祈りのいらない世界で

数日後。

キヨとカゼが行きたがっていた大きなレジャーランドにやってきた5人。



「うわぁ〜♪市民プールと違って大きいね」

「当たり前だろ!!」



キヨは浮き輪を膨らませてくれているイノリの横で、キョロキョロと辺りを見渡していた。


カゼ、カンナ、ケンは準備体操をしている。




「ほら、空気入ったぞ。お前溺れねぇように俺から離れんなよ」

「もう大人だから溺れないよ」

「まぁキヨは脂肪ついてっから沈まねぇか。でもお前ドジだからな」



イノリはキヨの脇腹の肉を摘むと笑った。

キヨはイノリを蹴飛ばす。




5人はひと通り準備体操をすると、流れるプールに飛び込んだ。



「はぁ〜…夏ですなぁ。キヨのビキニ姿も拝めたし、夏最高♪」


「ケン、あんた段々オヤジになってきてるわよ」


「市民プールの流れるプールと違って、広いし長いね。市民プールの3倍はあるかな」


「キヨはいちいち市民プールと比べるな!!田舎もんだってバレバレだぞ」




キヨの身に付けている浮き輪に腕を乗せているイノリ。


5人は水に流されるがまま、体を委ねていた。




「あっ。私、あれやりたい♪」



キヨはウォータースライダーを指差す。

ウォータースライダーには専用の浮き輪に乗った人達が悲鳴をあげて滑っている。



「お前、あれは鼻にモロ水入るんだぞ?」

「いいの!やりたい!!みんなで滑ろうよ」



キヨは4人を見る。




「ごめんねキヨ。私、化粧落ちるからパス」

「俺も波のあるプールが波出る時間だから、そっち行きたーい」

「お前は滑った後、鼻に水入って泣くからやめとけ」



3人に否定されたキヨは顔を膨らます。


するとカゼが浮き輪ごとキヨを持ち上げ、プールから出した。