続・祈りのいらない世界で

「キャーっ♪倉木くんがいる。写メ頼んでみようよ」

「あの5人いつも一緒にいるけど、男女であそこまで仲いいって珍しいよね」



講義を受ける為に教室へと入ってきた女子達が騒ぐ。

暫くすると講義が始まった。



「あれ、ケン座ったまま寝てる」

「本当ね。首がカクカクしてて危ないわ」



キヨとカンナがケンを見ていると、カゼがカンナのペンケースから油性マジックを取り出し、ケンの瞼に目を描きだした。


爆音で音楽を聞いているケンは気付かない。



寝ているのに起きている顔になっているケンを見て4人は噴き出した。



「ぎゃははは!!ケンっ…起きてる時よりカッコいいぞ!!」

「あはははっ!!やめてよイノリっ!!お腹痛い!!」

「………ふへっ。似合う」

「どっ…どこがよっ!ふふふっ」



4人が大声で笑っていると、周りの生徒達もケンを見て笑い出した。




「しかも油性ペンで描いたでしょ!?落ちないわよ?」

「………大丈夫。ケンなら気付かない」

「まつげも描いてやるか」

「眉毛、カモメみたいにしちゃおうよ」


「イノリとキヨはやめなさい!」




4人は授業が終わるまで笑い続けていた。