「イノリとお父さん、ドレス合わせ終わったよ」
キヨはイノリと父のいる場所に駆け寄ると、ソファに座っているイノリを後ろから抱きしめた。
「気に入ったのあったか?」
「うん♪…でも私、あまりにも似合わなくて思わず溜め息が出ちゃったよ。やっぱりドラマとかで女優さんが着るのとは違うね」
「当たり前だ。お前と女優じゃ雑種と血統書付きの犬くらい違うんだからな」
「何それ!自分の奥さんに向かって!!」
「俺は雑種の方が可愛いと思うけどな」
イノリがポンポンとキヨの頭を叩くと、キヨは背伸びをした。
キヨが背伸びをしてもイノリの顎までしか頭は届かない。
「私達身長差が30cm以上あるからデコボコで見栄え悪いよね。…結婚式までに身長10cmくらい伸びるかな?」
「伸びるか!」
昔から騒がしい2人を見守ってきたキヨの両親。
大きくなっても変わらない2人に少し呆れながらも、変わらないという事の大切さを感じていた。
人は時間と共に変わっていくもの。
ずっと子どもの時のまま大人になる人なんていない。
それは生きていれば当たり前のことだけど
時間でさえ変えられないものもちゃんと
この世界には存在する。
「美月、お前が俺のものになる前に聞いておきたい事がある」
いよいよ結婚式が明日に迫った日の夜。
イノリのベッドの上に寝そべりながら2人で話し込んでいると、いきなりイノリが真剣な声で話し始めた。
「入籍してるんだからもうイノリのものだけど?」
「そういう事じゃねぇよ。お前はまだ両親のものだ。俺はお前の父ちゃんからお前を受け取ってねぇんだからな」
結婚の許しをもらった地点でイノリのものになったんじゃないのか?
そう思ったキヨだが、イノリの言葉に耳を傾ける事にした。
キヨはイノリと父のいる場所に駆け寄ると、ソファに座っているイノリを後ろから抱きしめた。
「気に入ったのあったか?」
「うん♪…でも私、あまりにも似合わなくて思わず溜め息が出ちゃったよ。やっぱりドラマとかで女優さんが着るのとは違うね」
「当たり前だ。お前と女優じゃ雑種と血統書付きの犬くらい違うんだからな」
「何それ!自分の奥さんに向かって!!」
「俺は雑種の方が可愛いと思うけどな」
イノリがポンポンとキヨの頭を叩くと、キヨは背伸びをした。
キヨが背伸びをしてもイノリの顎までしか頭は届かない。
「私達身長差が30cm以上あるからデコボコで見栄え悪いよね。…結婚式までに身長10cmくらい伸びるかな?」
「伸びるか!」
昔から騒がしい2人を見守ってきたキヨの両親。
大きくなっても変わらない2人に少し呆れながらも、変わらないという事の大切さを感じていた。
人は時間と共に変わっていくもの。
ずっと子どもの時のまま大人になる人なんていない。
それは生きていれば当たり前のことだけど
時間でさえ変えられないものもちゃんと
この世界には存在する。
「美月、お前が俺のものになる前に聞いておきたい事がある」
いよいよ結婚式が明日に迫った日の夜。
イノリのベッドの上に寝そべりながら2人で話し込んでいると、いきなりイノリが真剣な声で話し始めた。
「入籍してるんだからもうイノリのものだけど?」
「そういう事じゃねぇよ。お前はまだ両親のものだ。俺はお前の父ちゃんからお前を受け取ってねぇんだからな」
結婚の許しをもらった地点でイノリのものになったんじゃないのか?
そう思ったキヨだが、イノリの言葉に耳を傾ける事にした。

