続・祈りのいらない世界で

ライブ会場に戻ると、イノリ達が入口の前で待っていた。




「2人して何処行ってたのさ!」

「ごめんね、ケン。埼玉見物してたらプラネタリウム見つけて、星眺めてた」

「もー、キヨとカゼは呑気だな」



嘆くケンの頭をテンテンと叩くと、キヨはイノリの服を掴んだ。




「あ?何だよ、どうした?」

「ううん。何でもない…」



そう言ってイノリの腕に寄り添うキヨの頭を、イノリはグリグリと撫でた。




「………地元行こう」

「は!?」



カゼがいきなりそう呟くと、4人は声を揃えて驚愕する。


唖然とする4人を気にする事なくカゼは運転席に乗り込んだ。




「地元って…今から行くの?明日大学あるわよ!?」


「………オールしたと思えばいい。俺が運転するからみんな車で寝ていいし」


「カゼに運転任すの恐いよ!!居眠り運転すんなよ?」


「………ケンよりは運転上手いから大丈夫」



カゼはコクっと頷く。


カゼのマイペースさに呆れながら、4人は渋々車に乗り込んだ。



助手席にカンナが座り、後部座席にケン・キヨ・イノリが座る。




暫く車に揺られていると、後部座席に乗っている3人が寝始めた。