続・祈りのいらない世界で

「やっぱりアパートって狭いね」

「お前の荷物が多いんだよ!」



新しく住む団地で荷物の整理をしているキヨとイノリ。


一段落つき、ソファにイノリと並んで座ったキヨはポツリと呟いた。



「小さい時さ、自分は大きくなったらどんな風になるんだろうとか、どんな学校へ行ってどんな仕事して、どんな人達と出会うんだろう…

そしてどんな人と結婚するかなって思ってたんだ」


「お前らしいな」


「それでね、いつもそう考えた時必ずイノリも出てくるの。イノリがいる道を選んでる私がいるの」



将来どんな仕事に就くのかな?
どういう人と結婚するのかな?
子どもを産んだりするのかな?
どんな大人になっているのかな?



そう思うと同時にいつもイノリはどうなんだろうって考えてた。




「きっと私の人生にイノリは不可欠なんだね」



キヨが柔らかく微笑むと、イノリも優しく微笑んだ。




「だからこれから先も私の人生にイノリはいなきゃならないの。だから、これからもずっと一緒に歩いていこうね」



これまで、幼なじみの5人で歩いてきた思い出を一緒に語りながら

これからの夫婦、親子の道を歩いていこう。




「ねぇイノリ。ちょっとワガママなお願い事してもいい?」

「何だよ。…ママ」

「…やっぱいいや。叶ったから」

「変なヤツ」

「ありがとう、パパ」




何度も願いを叶えてくれて…。