「泣けば誰かが助けてくれるとでも思ってんのか?…すぐ泣くな」
イノリは屈むとしゃがみ込んでいるキヨの涙を指でゴシゴシと拭った。
「…だって…私が泣けば、いつもイノリが来てくれるもん」
「分かってて泣くのかよ。…あーあ。何で俺はこんな面倒くさい奴の世話してんだろ」
イノリは面倒くさい、面倒くさいと呟きながら頭を掻きむしる。
「…みんな行っちゃったね」
「今ならまだ追いつくよ。…だから、ほら。早く乗れ」
イノリはキヨに背中を突き出す。
頼もしくて、優しい
大好きがいっぱい詰まった背中。
いつだってこの背中を捜して、追いかけていた。
「よーし、飛ばすぞ!」
「きゃーっ」
キヨが背中に乗ると、イノリは物凄いスピードで走り出した。
住宅地を抜け、公園を通り過ぎ、土手へ向かって走るイノリ。
その背中にしがみつき喜ぶキヨ。
暫くすると、さっきまで見えなかった3人の背中が見えてきた。
イノリは屈むとしゃがみ込んでいるキヨの涙を指でゴシゴシと拭った。
「…だって…私が泣けば、いつもイノリが来てくれるもん」
「分かってて泣くのかよ。…あーあ。何で俺はこんな面倒くさい奴の世話してんだろ」
イノリは面倒くさい、面倒くさいと呟きながら頭を掻きむしる。
「…みんな行っちゃったね」
「今ならまだ追いつくよ。…だから、ほら。早く乗れ」
イノリはキヨに背中を突き出す。
頼もしくて、優しい
大好きがいっぱい詰まった背中。
いつだってこの背中を捜して、追いかけていた。
「よーし、飛ばすぞ!」
「きゃーっ」
キヨが背中に乗ると、イノリは物凄いスピードで走り出した。
住宅地を抜け、公園を通り過ぎ、土手へ向かって走るイノリ。
その背中にしがみつき喜ぶキヨ。
暫くすると、さっきまで見えなかった3人の背中が見えてきた。

